ホルンで高音域を吹くのって、技術的にも難しいと思います。僕も元々低音域の方が出しやすい方だったので、高音域は今でも研究中です。今回はその中で、高音を吹くのに役立つアイデアを3つ紹介します。
高音域のためのアイデア①「腕も自由に動いて、楽器を自分に必要な分好きなだけ密着させる」
マウスピースと唇の密着が足りない場合、高音域を出すときに上手く唇が振動できない場合があります。
密着させることによって、高音を出すのに必要な唇の振動をサポートすることが出来るのですが、この時、自分の方に楽器を密着させようと思いっきりプレスをしすぎ続けると唇を痛めてしまう事があります。
また、ただ密着だけさせようとすると、自分の方を楽器に寄って行かせることも起こりますが、自分の方を動かしてもが実はたいして密着させている事にはならず、腕の方が楽器を自分の唇に密着させるという仕事がやりやすいのです。
なので、考え方としては「腕も自由に動けて、必要な分好きなだけ密着させるために楽器を自分の方に持ってこれる」という風に考えてみるのがやりやすいと思います。
高音域のためのアイデア②「息のスピードを早める」
高音域は、中音域あたりの音と比べるとより息の力を必要とします。この息の力というのは、息のスピードを速くするということではないかと思っています。
なので、楽器に息を吹き込むように吹くのとは違います。息のスピード感を早くするのは、イメージとしては「冷たい息を吐く」です。熱いものを触ってしまった時に、ヤケドした部分に息を吹きかけるときのあれです。
この時にやっているのは、お腹周りや骨盤底筋などの筋肉を使って息を勢いよく出すのと、息の出口、唇をすぼめてより息のスピードを出すという事をしています。ホースの先端を細めると、水が勢いよく出てくるのと同じことです。(先ほどの密着というやり方も、実は先端を細めるための助けになります)
やり方としては「お腹周りや骨盤底筋等の筋肉が自由に使えて、息のスピードを速めて吹く。息の出口(ホースの先端)も小さくする」という形になります。
高音域のためのアイデア③ 「tuと発音する形(唇を縦で閉じるイメージ)で発音する」
これもホースの先端のアイデアになりますが、高音域を吹くためには唇の形も中音域を吹くときとは少し違ってきます。
唇を横に薄く引き伸ばす形にすると、音のコントロールが難しくなったり、音質が固くなってしまいがちで、唇の柔軟性が無くなってきます。
なので、唇を縦に閉じる(実際には縦で閉じるというわけではないのですが、イメージの持ち方としてこれがやりやすいと思います。タテに唇を集めるでもいいかもしれません。)をしてみると良いと思います。
その形をイメージするのに「唇を閉じながらtuと発音する」をやってみるとわかりやすいと思います。
これも最初のアイデア「密着させる」と関連しており、唇を横に引き延ばすより厚く使える分、密着によって安定を増すという形をとるわけです。
他にも色々な考え方がありますが、今回はこの3つをご紹介します。
ただ、ここまで説明しといてなんですが、このアイデアにはちょっと注意する必要があります。
これはあくまでも僕が高音域を演奏するにあたってのアイデアであり、使う時はそれぞれのやり方に合わせてアレンジする必要もあるかと思います。
特に③は唇の形づくりのアイデアになるのですが、人の顔がそれぞれ違うように、アパチュア(演奏の時の唇の形)も様々であり、この形にしたから必ず全員吹けるようになるという事はいえません。
アパチュアに関しては、自分の経験に沿ってこれが良いという形を書いてはいますが、実際に見てもいない人物からのアドバイスを、そのまま鵜呑みにするのは危険であると思います。
なので最初は実験として試してみて、気に入ったら使ってみるというやり方も良いのではないでしょうか?。
高音域は難度が高い部分でもあるので、ぜひご自分に合ったやり方を見つけ、それを探すためのヒントとしてこのアイデアも使ってみるも良し、あいそうだったらそのまま使ってみるのも良しです。ご活用ください。
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