ウラ打ちはつらいよ②~ウラ打ちの楽しみ方~

引き続いてのウラ打ち講座、今回はウラ打ちと旋律を合わす秘訣と、ウラ打ちを楽しめるやり方についてご紹介します。じつはこの二つ、【想像する】という点で同じ言葉がキーワードなのです。

 

・ウラ打ちを旋律と合わせる秘訣!【ウラ打ち奏者は思いやりを持って吹く

演奏するのに思いやりって関係ないんじゃ???と思われるかもしれませんが、じつはけっこう関係があるんです。

相手が喜ぶ、嬉しいことを想像して、演奏する。実はこれも音楽を合わせる秘訣になります。

 

 

本番で曲のメロディーを吹くときってどんな感じがするでしょう?それが自分一人のソロでなくとも気合が入るというか、良い音でメロディーを奏でようと集中しますよね。旋律を演奏するときはそれなりの緊張感もありますし、労力が必要です

一方で、ウラ打ちそのものは音楽の構造的にとても単純で、音も大抵は普通の音域で演奏します。ということは、演奏中でも他の部分に思いやりを持つ余力があるという事でもあるのです。

そこで、ウラ打ちと旋律を合わせるための秘訣として【ウラ打ちが思いやりを持って吹く】という事につながるのです。

 

 

じつは、ウラ打ちというのは強くテンポを支配する力を持っていて、ウラ打ちによってテンポを上げたりだんだん遅くしたりという事も出来ます。なので、そのメロディーを活かすも殺すも出来る事になるのです。まるで影の番長ですね。

でも、同じ曲を合奏で一緒に演奏しているのだから、共演者同士として、良い音楽を一緒に作り上げたいという気持ちも皆さんどこかに持っています。

だから余力ある方が別の方を思いやり、手助けしてあげたくなるし、思いやりを持ちあえばいい雰囲気で演奏が出来るようになるのです。

 

例をだせば、メロディーを良い音で演奏しようとしているパートを応援するために、メロディーが演奏しやすいようなテンポを想像し、ウラ打ちで作り出してゆく。これがやり方だって思いやりの1つです。

もちろん絶対という事はありません。良い音楽を作るために、ウラ打ちが協力としてそういう思いやりを持ってあげる事が出来るという事です。音楽の中でお互いが思いやり、聴きあい、演奏しあうというのは合奏やアンサンブルの基本ですから、どちらかをないがしろにするわけでも犠牲にするわけでもありません。

相手の演奏を聴きながら、相手の演奏を受け入れながら、その上で吹きやすい環境を自分の出来る範囲で作ってあげる。そういう考え方はいかかでしょうか。

 

 

・ウラ打ちをおもしろく演奏する秘訣【譜面の外にある音楽を想像する

 

ウラ打ちの譜面自体は、同じようなリズムがずっと続いて単調に感じて、人によってはどこ吹いてるのかわからなくなる=ロストしたり、退屈に感じてしまう事もあるかもしれません。

じゃあどうするか。譜面には書いていないけど、音楽的にもっと良くなる表現を想像し演奏するのです。

 

例えば・・・

 

①頭拍を強調する

頭拍というのは小節の一番初めの拍です。ここを強調することで、自分がいま何小節にいるのかというのが分かりやすくなります。

そして頭拍を強調する事は、そこに向かう2・3・4拍や、次の2・3・4拍が次の頭拍に向かっていくことにもなります。

頭拍を強調し、次の拍がまた次の小節の頭拍に向かっていけば、行進曲であれば前に進む感じが、ワルツであれば1拍目の踏み込む感じが強調されることになるわけです。

 

ただし、もちろん曲をぶち壊すような強調はやりすぎなので、バランスをとってやることが大事です。

 

②旋律とアンサンブルする

①に慣れて来たら、今度はもっとアンサンブルに目を向ける事も出来ます。

全体のフレーズが一番わかりやすいのは、やっぱり主旋律、メロディーになります。このメロディーにあわせて、一番音が盛り上がるところまで一緒に盛り上がったり、あるいは落ちついてきたら一緒に盛り下がったり。そんなウラ打ちと旋律のアンサンブルもおもしろいと思います。

 

こんなふうに、譜面に書いてある以外の部分、譜面の外にある表現やアンサンブルでよりウラ打ちをたのしく、面白く演奏することも出来ます、探せばまだまだあるでしょう。楽しめるやり方はたくさんあるものです。

他にもよっぽど信頼を築けていないと怒られたり、ブーイングを受けたりするウラ打ちのブラックな遊び方もあるのですが、ここでは紹介は止めておきます、気になる方は直接聞いてください(笑)

 

いかかだったでしょうか?これでひとまずウラ打ちシリーズは終わりとなりますが、次回は番外編として、管楽器がウラ打ちを吹き続けて、唇がばててくる、息がつらくなる時の対処のアイデアをご紹介します。

 

 

 

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