学校の部活から楽器演奏を始めたり。
大学ではしばらく演奏から遠のいていたけど、
やっぱりもう1度吹きたくなったりして
気に入った楽団に参加してみたり。
子育てが一区切りついて、
またやりたくなって、楽器を再開したり。
演奏を始める理由は
みんな様々ですが、
演奏が楽しい、
演奏する、表現する事に興味がある。
こういった初心は、
誰もが共通して持っているものです。
ところが
演奏を続けていく内に技術が付き、
更に良い演奏を求めていくと、
いつの間にか「演奏の上手い・下手」だけを重要視し過ぎて
演奏のどんな部分が好きだったか?
演奏のどんなところにワクワクしていたか?
こんな「初心」を
どこかに置き去りにしてしまう事があります。
「初心」を忘れていたことに気が付き
演奏への、どんな部分にワクワクしていたか?
過去の自分を振り返ってみる事で
もう1度、
演奏への初心を取り戻し、
演奏そのものを楽しみ
演奏している瞬間の、
幸せな気持ちを蘇らせる事が出来るようになります。
音楽への感性が育ち、
自分の演奏をより客観的にとらえ、
演奏技術が上がれば上がるほど、
自分の出来ないところ、
演奏の気に入らない部分にも気が付くようになり
それを改善していく為にの練に
時間を費やしていくようにもなります。
だけど、
出来ないところを直そうとする練習は
自分にとっての不出来な部分を叱責し、
改善するまで、出来ない事への情けなさに晒される事にもなるから、
やりすぎてしまうと、
演奏する事の楽しさを失い、
自己否定の繰り返しに陥ってしまう事があるんです。
もちろん、
出来ないところを出来るようにするための練習、
より良い方向を目指すため、
自分に足りないものを育てようとする練習は、
上達のために必要になってきます。
でも、同じように大切なのは
≪バランス≫を取る。
という感覚です。
お客さんに楽しんでほしい、
聞いてる人を感動させたい。
そんな演奏者としての良心を胸に、
更に良いものを目指して練習を続ける。
もちろんこれは、
演奏者として大切な気持ちです。
でも、
出来る出来ないは関係なく、
やりたい曲にチャレンジしてみたり
自分が楽しいと思える演奏をやってみる事。
≪遊ぶ≫様に演奏してみて、
演奏する事そのものを
好きになっていく。
これもまた、
自分の感性を育て、上手くなってゆく1つの秘訣だし、
演奏する事が好きになるからこそ、
好きなものを人に紹介していきたくなるように
音楽の素晴らしさを、
演奏を通して人と分かち合いたくなるんです。
これは、自分の中の
演奏や音楽への≪興味≫を育てる。
と言い換えても良いかもしれません。
例えば音大に入り、
音楽家を目指すほとんどの学生だって、
もっと上手く吹けるようになりたい、
演奏が好きだから、更に良い演奏が出来るようになりたい。
こんな自分本位の≪興味≫があるから、
音楽の勉強を続けているんです。
興味を失ってしまっては
如何なる活動も、続ける事は困難になります。
そして、興味を育むのは、
自分自身の好奇心。
つまり≪ワクワクする気持ち≫です。
そしてワクワクを育むのは、
上手い、下手という比較評価ではなく
ただただ「遊ぶ」「楽しむ」
赤子のような行動が
大切になってくるんですね。
もし今、
演奏する事のどこかに
苦しさを感じていたり、
思うように上手くいかない事に
失望した気持ちを持っているなら
音楽の、演奏の
どんなところにワクワクするのか?
どんな吹き方をしたいと思っているのか?
どんな曲が好きで、
どんな場面でその曲を演奏してみたいのか?
時にはこうして、
ワクワクする事を思い浮かべてから
演奏してみてください。
きっと出せる音が、変わって来ます。
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