楽器を演奏しているとき、不意に「これはヤバい」「ミスしそうだなぁ」という感覚を持ってしまう事って、経験があるでしょうか?
今回はこんな感覚に陥ったとき、どんな風にすれば良いかについてお話します。
本番であれ練習であれ、ミスしそうな予感がしたり、思うように音が出せないという感覚、これはイヤなものですよね。
特に演奏中にこれが来たら、これを持ちながら音を出し続けようとするのは、かなり大変なことです。イヤな感覚に支配されてる、という感じですね
じゃあもしこの「失敗しそう」という予感や、思うように音が出せないという感覚に陥ったとき、どんな風にすれば良い演奏が続けられるでしょうか?
それは
「嫌な感覚を無くそうとするのは止めて、どの音にどう向かいたいのかイメージしたり、嫌な感覚をセンサーとして受け取り、固まっている身体を楽にするor動かしたいように動かす」
というやり方です。
まず、感覚そのものはなくせません、それを無視して感覚を無くそうとしても、ただの徒労に終わってしまいます。自分がどこにいるか、自分がどんなことをしているかが分かるのも、全て感覚がフィードバックされるからであり、感覚そのものは、演奏以上に生きていく上でとても大切なものなんです。
なので、生きるために必要であるならしょうがない。それが良い感覚であれ嫌な感覚であれ、受け取って、感じてしまうものなんです。
その上で、感覚の原因がどこから生まれているのかを感じ取って、それを楽にしたり、動かしたいように動かすことは可能です。
例えばのどが苦しくて音が外れそうになる感覚がするなら、のどや首のあたりに何か力みがあったりする結果そういう感覚が返ってくる場合があるので、のどの力みを止めてみたりできます。
例えば息が出せない感じがするのなら、お腹周りや、あるいは骨盤底の辺りを固めていて息が出せない場合があります。その時は単純に固めるのを止めたりすることで、息の出しやすさを取り戻せる場合もあります。
こんな風に言葉にしてみると長いですが、やる時はすぐにできます。感じ取るのも、楽にするのも、こんなふうに動かしたいと意識するのも、ほんの一瞬です。
もちろん、こういう嫌な予感や感覚というのは、なんとなく全身で感じてしまうものです。特定の部位から出てくるわけじゃありません。
ただそういう感覚が来たとき、自分に何か変な力みを起こしていたり、身体のどこかを固めてる合図として受け取る。
そんなふうに意識してみると、どこで何が起きてるか自分を観察できたり、感覚を消そうとするよりも建設的で、身体の使い方にあった感覚の使い方になると思います。
嫌な感覚に支配されるって、その感覚についてずっと考え続けてしまう事なんですが、感覚について考えていても何も変えられません。
感覚を完璧になくすって、出来ない事なんですね。
感覚は感覚としてただ受け取るだけ、そんなふうに割り切ってしまった方が、感覚に支配されずに演奏できると思います。ぜひお試しください。
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