人に何かを教えるコツ

部活とか楽団とかで、
人より少し長く楽器を始めていたり、
昔、演奏していた経験があるとなると、

演奏の経験が全く無い新入生や、
楽団に入団してきた人に教える立場になったり。

あるいは会社の中で、新人研修を行う立場になったり。
こんな経験って、あなたにもありませんか?

 

人に教える事について、

変なことは教えられない。とか、
役に立つ内容を伝えていきたい。
その人が良い方向に成長していけるよう手助けしたい。

そんな風に考える、責任感の強い方も中にはいます。

 

でも、もし仮に、
明らかに自分より上手い人、才能のある人、
仕事の出来る人が後輩として入ってきて、

あなたがその人に教える事になった時、

「あんなに能力のある人に
自分が、何を教えられるんだろう…。」
って考えてしまう事も、
もしかしたらあったかもしれませんね。

 

特に学校の部活動では、
1学年上というだけで後輩を導く立場に立つこともありますから、

なおさら
【人を教えるという事】に悩みを持つ人もいるかと思います。

 

 

でも、大丈夫です。

何かについて、
「ほんの少し先輩」ってだけででも、
何かを教える・伝えていく事は出来ます。

 

 

まず、
どんな人であっても誰もが平等であること。

それは「時間」です。

特に、今話題にしているのは
「ある事に費やしてきた時間」=経験の事です。

自分の時間を費やして、何かを経験する事というのは、
時間を費やした期間が長いだけ、
≪学んだ密度≫というのも濃くなってくるものなんです。

これは上手い下手や才能の有る無しにまったく関係ない事で、
たった1日でも何かに時間を費やしたなら、
その分、人よりも経験がある。
という事なんです。

だから、どんな形であれ、
何かを経験したのであれば、

その経験を基に得た
教訓やアイデアを人に教える事が出来るんです。

 

 

 

そして、経験した内容は
時に≪成功≫の経験である事も、
あるいは≪失敗≫の経験だったかもしれません。

でも、
失敗と成功の間には、
どちらが正しい・どちらが偉い、なんて
評価の差はありません。

どちらも等しく価値のある≪経験≫なんです。

 

Aさん、Bさんが、
音楽のコンクールに出演したとして、
更に、AさんBさん共に「銀賞」を得たとしましょう。

Aさんは「銀賞」という結果を悔しく思い、
失敗した経験だと思っていて、

そして自分の後輩に
「Aさんなりに分析した、金賞に届かなかった敗因」を
教えることが出来て、後輩が同じ悔しさを味わわないよう導く事が可能かもしれませんよね?

 

Bさんは「銀賞」という結果に嬉しさを感じて、
「どんな風に練習したら、満足して銀賞をもらえるような演奏を本番で出来たのか?」を
後輩に伝えられて、

本番の舞台で気分良く演奏出来る秘訣、を教えることが出来るかもしれません。

 

同じ「経験」をしたとしても、

そこから得られた教訓、得た感情も、
人によって別々のものなんです。

だから、人よりもほんの少し、
≪先輩である≫だけで、

他の人にとってはまだ経験の無い
新しい事を伝える事だって出来るんですね。

 

 

それに、
自分は先輩であるから、

≪上手く出来てなきゃいけない≫なんて
思い込む必要もありません。

 

教わる側にとって価値ある教育とは、

自分がしたことの無い経験を、
他の誰かが経験してくれて、
その内容を教えてくれる事も含んでいるからです。

例えば何か失敗の経験を教えてもらえたのなら、
教わった側が似たような事に挑戦する時、
気をつける事が出来ます。

自分にとっては失敗の経験であっても、
教わる人にとっては「貴重な経験」の1つでしかなく
それで教える側を悪く思ったりはしないんです。

 

とはいえ、
自分の失敗を人に言うのは、
勇気のいる事ですから、

始めは経験から得た教訓とか、
失敗への対処の仕方を伝えたって良いかもしれませんね。

 

 

相手がだれであっても、
「何かを経験したことがある」というだけでも、
何かを人に教える事、伝える事は出来ます。

能力の無い自分を嘆くとか、

相手と自分の上手さを比べて
教える事をためらってしまうとか、

自分自身を卑下する必要って、実は全然無いんですね。

もし、何か人に教える事で
何か恐れを抱いているなら、

「どんな経験であったとしても、そこで感じた事、学んだ事を今自分が持っているという事に大きな価値がある」

という事を、ぜひ覚えておいてください。


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