先週のBodyChanceでの授業と、自分の実践を含めて演奏における不安や、嫌な感覚についての向き合い方が変化できたので、どういうふうにそれらと向き合うか、それをここにまとめてみます。
不安、緊張、失敗してしまいそうな感覚。そういうものを抱えながら演奏したくはない。だからそれらに対抗したり、消してしまおうとしてみる。という経験はありませんか?
実際、演奏においてそういう感情を持ちながら演奏したり、嫌な感覚がありながら演奏を続けるのは不快で避けたいものです。だから、練習前に「深く考えすぎない」「気楽にやろう」という言葉を自分に言ったり、誰かにかけてあげたりします。そして、それらのやり方に加えて、もう一つやり方があります。
そのやり方は『頭が動いて身体全部がついてきて、不安、緊張、嫌な感覚全部含めながら自分がやりたい演奏を演奏しつづける』です。
100%不安や緊張を無くしたい。願望としてそれはあるかもしれませんが、それは現実的ではありません。演奏前に不安や緊張がなくなって、楽な心持になる状態はありますが、演奏中に何かきっかけがありまた不安や緊張にさいなまれるという事もあります。部品の取り外しのように気持ちを取り外したりすることはできないのです。
ですが、不安や緊張があったとしても、それで自分のやりたい演奏が消え去るわけではありません。ただ不安や緊張への対処で頭がいっぱいになり、やりたいことが思い描けなくなるのです。そして、その不安や緊張は、自分の「演奏を100%完璧に思い通り演奏しなければいけない」や「失敗してはだめだ」という思い込みから生まれてしまうのです。
アレクサンダーテクニークは、そういう嫌な部分も含めて自分の面倒を見られる。授業でアイデアのヒントを得たので、次の演奏の時にさっそく使ってみました。
音出しの準備の時間が無く、長距離の移動なので体も疲れている。普段なら不安からそこで無理して早めに行き、音を出せる場所で音出ししたり、自分の感情を無理やりポジティブに持っていこうとする場面でしたが、それらを止めて、自分のやりたいことは何だろうと自分に問いかけながら、上記のやり方をやってみました。最初のフレーズや曲は不安でしたが、それをやり続けるうちに失敗しても気にせず、やりたいことをやれるようにだんだん変化していけました。
この経験から、不安や緊張に対処しよう、消そうとすることは解消にはつながらない、やりたいことが出来るようになるわけではない。と感じています。不安や緊張をに対処しようとしてやりたい音楽、やりたい演奏に目が向かなくなるのは、本末転倒になってしまう場合もあるのです。いくら消しても、また自然と発生してくることもあります。だから、それらも自分の心の一部なので、消し去ろう、見ないようにしようとせず、受け入れてあげて、そのうえでやりたい事をもう一度描きながら実行することも出来ます。
自然に生まれた不安や緊張はそのままにしながら、自分の面倒を見つつやりたい音楽を演奏する。興味を持たれた方はぜひこのやり方を試してみてください。
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