どんなに優秀な演奏者も、
どんなに偉大なスポーツ選手も、
全ての人には
いつかその活動を終える時が来ます。
あなたは、
あなたのやっている活動について
どんな終わり方を迎えたいですか?
演奏活動なら、
最期にどんな演奏をして、
周りの人にどんな影響を与えて、
どんな環境の中で、
演奏者として終えたいでしょうか?
今日は是非、
あなたの
「演奏者としての終わりの場面」を、
想像してみて欲しいんです。
楽器が上手くなること。
出せなかったハイトーンを
楽器で吹けるようになること。
今まで出来なかった難しいフレーズを
演奏出来るようになること。
レッスンで教わったり、
日々練習する目的は、
自分の技量をさらに伸ばす為や、
出来ないところを克服する為だったり。
どうでしょう?
あなたも似たような目的で
練習したり、
レッスンを受けたりしていませんか?
上手くなる事は
もちろん良い事だし
出来ない部分を克服する事は、
もちろん大事です。
でも、
これはあくまで限定的な目標で、
演奏という活動を続ける
最も根本的な目的ではないですよね。
問題が起きているから、
克服したい事があるから
目標にしているのであって、
その課題が克服できた先に
まだ目指したいモノがあるのではないでしょうか?
もちろん、
短期的な目標だから
真剣にならなくていい。
なんて、言うつもりはありません。
でも、
短期的な目標や、
「自身の課題」を目標としたままだと、
どんな演奏者になりたいのか?
演奏者として、
世の中や、周りの人たちに対し、
どんな影響を与えていきたいのか?
こんな、
演奏活動を続ける、
1番の目的となるもの。
音楽を続ける上で大事なものを
見落としてしまうんです。
僕自身も、
いかなる時でも
自分の体をコントロールする事。
演奏を無事終えられるような技量を身に着ける事。
これが僕の演奏する目的で、
これが出来なきゃ、
音楽を続ける事なんて出来ないと
思い込んでいた時がありました。
でも、
僕が演奏で目指したいものは、
体をコントロールする事でも、
ただ上手くなるだけの事でもなく、
僕自身が演奏を楽しみつつ、
聴いてくれる周りのお客さんと共に
音楽を楽しむ事だったんです。
短期的な目標だけ見ていたのだったら、
僕は僕の本心からやりたい事に
気が付けませんでした。
どんな場面で演奏を終えたいか?
終わりから考えてみる事で、
僕は、僕の本当にやりたい事に気が付けたんです。
終わりから思い描くことで、
人はどんなものを望んでいるのか?
どんな風になりたいのか?
自分自身の
「想い」を自覚する事が出来ます。
それはつまり、
自分自身の望みを知る、という事です
・より良い音で演奏したい
・万雷の拍手で演奏を終えたい
・友人達に惜しまれながら、
舞台を降りるような演奏者になりたい。
演奏者としての終わりを想像するから、
自分自身の望み、
最期に手にしていたいもの、
観たい景色を自覚出来て、
その為には何をするべきか?
優先すべき行動が分かり、
自分の行動が定まってきます。
こうなってくると、
小さな失敗をいちいち気にしたり、
悔やむような演奏をする事も無くなります。
常に自分が目指したいモノを目指して、
その過程で起きた事、
失敗や成功の経験も
全て「より良い次回」に向かう為の糧にできるからです。
だから、
1回1回の演奏会が
満足感や感動にあふれ、
演奏する幸せに満ちた演奏生活を送る事が出来ます
つまるところ、
僕達が演奏したい理由も
良い演奏をしたい、
良い演奏を聴かせたいと思いつつも、
≪幸せに演奏したい≫
という気持ちもあるのであり
そのために、
自分自身がどんな演奏が出来たら幸せなのか?
これを自覚する事は、
とても大切な事なんですね。
だからこそ、ぜひ、
あなたの演奏者としての最後を
思い描いてみてください。
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