「オケの練習で長時間座っていると疲れてきてしまうのですが、何か座りながらでも楽に演奏出来る方法をご存じですか?」
先日こんな質問を受けました。
確かに、オケや吹奏楽の練習は1日中座りっぱなしというのも多く、
長時間座ってると疲れたり、時には座りっぱなしで背中が痛くなるという事もあり得るかもしれません。
疲れたり、痛みが出たりするのは、
僕は「体に負担がかかる座り方をしてるから」だと考えています。
座りながら猫背になっていたり、
背もたれに体重を預けすぎていたり、
腰が前に出て、背もたれとの距離が開いている「行儀が悪そうに見える」座り方なんていうのも、
これらを実際にやってみると、
「自分の重さ」が体に変な風にのしかかり、それで背骨やら腰やらに負担がかかってくるのが分かります。
僕達の体重を支えているのは「背中(背骨)」です。
だから座っている時でも、
脊椎の1番先端から背骨の底まで自由に動ける状態にしてあげると、自分の重さをしっかりと支えてくれます。
この重さをしっかり支えてくれる姿勢。
はたから見ると「行儀の良い・背骨がまっすぐ伸びている姿勢」に見えますが。
実はそうじゃありません。
本来背骨は緩やかなS字カーブを描くように出来ていて、
上記の「背骨がまっすぐに伸びている」姿勢も、
背骨本来の形のままに座っているだけの姿勢なんですね
(つまり、背骨が緩やかなS字を描いた状態で座っている姿勢です)
身体の他の部分でもそうですが、人間本来の「自然な姿勢」であれば余計な疲れはたまりにくくなります。
「疲れる」という事は、
自分の自然な姿勢が崩れている、というサインでもあるんです。
そうなると、
座っている時の自然な姿勢とはどんなものか?という事が気になってきますが、
僕は、この姿勢は
「坐骨に重心がかかりつつ、背骨が自然なS字カーブを描いていて身体全部が自由に動ける」姿勢だと思います。
坐骨というのは骨盤底にある仙骨の一部で、座る時に自分の重心がかかる部分です。
座っている時に、
椅子とお尻に間に手を潜り込ませると、
お尻の中で1番固く感じる部分が座骨です。
もしかしたら、人によっては「思ったより前にある…。」なんて感じるかもしれません。
座っているときに自分の重さを支えてくれる部分なので、
座骨に重心がある事が、座っている時の身体全体の動きの良さに関係してきます。
逆に坐骨に重さがかからない時は、
自分の重さを支えるために必要のない動きや筋肉を使ってたり
変な場所に自分の重さがかかっていたりするので、
それで疲れや痛み・時に痺れなどが出てくるときがあるんです。
管楽器・弦楽器でも、ピアノや時に声楽でも、
「座って演奏する」というのはよくある事なので、
坐骨に重心があると意識し、
その上で自分が自由に動けると考えてみたら、
もっと楽に自由に演奏出来ると思います。
ぜひ試してみて下さい。
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