調子について②~調子の悪さは「変化のサイン」って?~

前回の記事で、調子の悪さを変化のサインとして捉える、受け入れることを提案しました。今回はこれをもう少し詳しく説明します

吹きづらくなった、演奏しにくくなった、こういう感じになりだしたとき、特に真面目と呼ばれる人に陥りやすいパターンがあります。それは「さらに練習をする」というパターンです。

調子が悪くなったのは自分の練習不足のせいだ!と思って、さらに練習時間を増やしたり、できないところを重点的に練習する。または練習曲だけ演奏するようにする。「調子が悪くなる→練習や基礎不足だと感じる→基礎練や練習曲をいつも以上にたくさん行う」というといったパターンの行動を、調子を取り戻す、上手くいけてた調子に戻るためという目的で繰り返す訳です。

なにか目的や意図があってこうするのならいいのですし、ロングトーンやリップスラ-などの基礎練習は自分の状態を確認したり、整えてくれるのに役立ちますが、問題は反射的にこれをしてしまう時です。

何も狙いや意図がなく反射的に練習を繰り返すのは、病気の状態で無理をするのと似たようなもので、調子もよくならず、より悪化する場合だってあり得ます。そして、反射的に練習してしまう心理には「こんな調子は嫌だ」「下手になりたくない」「上手くなってきたのにまたできなくなるなんて御免だ!」という調子の悪さへの拒絶反応があるのです。

ですが、身体が疲れていていつも通り吹けないこともある様に、何かのきっかけで調子が悪くなってしまう時だってあるし、それが理由で音楽することを辞めさせられたり、価値がなくなるという事はありません

今までできていたことが出来なくなる、ある日演奏しにくくなってくる。誰にでも起こりうるこういった事が起こると、楽器を演奏される方は本能的に嫌な事として思ってしまうかもしれません。それは誰だって思います。ですが、その反射的な拒否をすぐに自分の練習や、やってきたことへの否定する理由にしたり、さらに自分を追い詰めたり無茶な練習をするような理由にするのは間違っています。

ここまでは、前回の捕捉になります

 

 

今回は「調子の悪さを反射的に悪いものとせず、今までやってきたやり方が上手くいかなくなってサインとして、今までのやり方を変えてみる合図として受け取る」という事をお伝えします。

今までうまく吹けていたものが何かしっくりこなくなる。何か調子が悪くなるという事が起きた時、それはもしかしたら「習慣で演奏している」ということが起きているのかもしれません。

習慣で演奏するとどうなるか?「何も考えず演奏する」といった事が起こり得るのです。その曲の持つストーリーや、音楽にあらわされている感情といった要素に慣れてしまいおもしろくなくなり、また技術的なところも慣れで演奏して、実際に無理や無茶な音の出し方をしていないかどうか注意を払わない。という事が起きたりします。

これが重なってくると、だんだんと調子の悪さとして表に出てくるのです。

 

ではどうするか?やり方を思い切って変えてみればいいのです。

例えば練習曲ばかり練習して上手くいかなくなって来たら、自分の好きな曲を好きなように表現して演奏する練習をしてみる

同じ曲を練習して上手くいかなくなって来たら、調性を上げてみたり下げてみたりしてどんな風に曲の雰囲気が変わるか遊んでみる

毎日必ず練習していて、上手くいかなくてやりたくなくなったら、思い切って練習を休みたいだけ休み、吹きたいときに演奏するなど、様々なやり方があります。どんな方法でもOKです。またこの時は、自分が楽しめるやり方で演奏してみる、楽しめるやり方を探してみるほうが上手くいきます。

なぜなら、この変化の目的が新しい刺激を自分の神経に与えて、よりよい身体の動き、演奏での動きを再構築することにあるからです。

習慣化するという事は、ある意味何も考えずともそれが出来るようになるまで技量が高まったともいえる事ですが、それが満足いくものであるとは限らない訳です。ですので、それを再度構築するために、あたらしい刺激を受けながら演奏するための動きを再構築したり、音楽の感情を改めて受け取ってみる、発見してみるという事が必要になります。そして、楽しさがそのために動けるようになるための原動力になるのです。

 

調子の悪さを自分への否定としてしまうのはただの習慣です。習慣であれば意識的に変えることが出来ます。

調子の悪さを自己否定の理由にせず、そこまで習慣でも演奏できるようになった自分の努力を認め、次のステップに進むための変化のサインとして受け取ってみる。気に入ったらぜひ試してみてください

 

 

 
 

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