ソーシャル⑦ 演奏に招待する

【演奏に招待する】
だれかに演奏する、特に本番になると、来てくれたお客さんや、ご招待した友人に良い思いをしていってもらいたい、今日来てよかったと思ってもらいたいなど、何かしらの感動を与えたい、してもらいたいという気持ちが生まれることがあるかもしれません。

誰かに演奏で何かを感じてもらおう、心地よくなってもらおうとするのは、誰かに対して何かをあげたいというとても良い感情だと思います。

ただ、僕も最近まで考えもしなかったことですが、どう感じるかは相手次第で、自分にはそれを「こう思ってもらおう」とか「感動してもらおう」とか、そんなふうに思ってもらおうとすることは出来ない。人の気持ちを操作することは出来ないのです。

だから、演奏にどんな思いを抱くかは、聴いている方々それぞれに託す他ないのだと思います。

じゃあ、演奏するときどんなことをするか?
これは「自分が演奏したい事、譜面や曲調から受け取った雰囲気や感情を、やりたいと思ったら表現する事。そして、自分が良いと思ったものに、受け取る受け取らないはただ相手に任せて、ただ招待を送り続ける事」かなと思っています。

演奏は自分も含めその場にいる誰にも敵対するつもりでやる行為ではありません。同じ感動の共有や、なにか共感してもらえたら、それが演奏している側の幸せになると思います。

そして、自分も誰でも、どう思うか自由であり、身体的にも心情的にも、何も拘束がないから演奏会場はとても安全であるものなのだと感じます。
だから、自分に出来るのは相手にこんなドラマがあり、こんなにも喜ばしく、あるいは物悲しく、おだやかに、時には激情にかられるように、物語を語り聞かせ、表現する事。それだけなのではないでしょうか?

だから、自分の演奏に招待する。どう受け取るかは、相手にお任せする。

こうやって書いている僕自身も、まだまだ課題としてることで、実践しようとチャレンジしている段階ですが、少なくともこう考えることで、演奏前の「自分に出来る事、自分が可能な事」が明確になり、必要な緊張だけ自分にのこるように思います。

感動させなければいけないと思って、もしそれが演奏することへのつらさになっているとき。
しなければいけないを手放して、ただ招待すると考えてみるのはいかがでしょうか?

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